VORTEXってどんな糸?
VORTEXは、全く新しい方法で生まれた糸です。独自の糸構造によって、素材の持ち味をさらに活かすことができます。
VORTEX(ボルテックス)精紡では、エア(圧縮空気)の旋回流によって繊維の先端が糸の中心に集束され、常に糸の中心が真っ直ぐで無撚の状態となります。一方の後端が他の繊維に巻き付くように外層を形成し「エアの旋回流によって糸が紡がれる」という新しい方法から生み出された新しい糸、それがVORTEXです。ある一定の素材の糸に限定されるのではなく、VORTEX精紡が生み出す独自の糸構造を持った糸を、VORTEX糸と呼んでいます。
製造機械のお話
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VORTEX糸は、村田機械(ムラテック)の「VORTEX精紡機」によって作られます。他の紡績方法とは異なる、空気の旋回流を使った独自の方法で糸をつむぐVORTEX精紡機は、村田機械だけが開発・製造している機械です。
VORTEX精紡では、短い繊維はエアによって吹き飛ばされます。そしてそれぞれの繊維が糸の中心に向かって撚りこまれ、他の繊維によって覆われていきます。そのため糸の内層に繊維がしっかり保持された繊維の動きにくい構造となり、「もっとも毛羽の少ない紡績糸」となります。
VORTEXは機能性とファッション性に富んだ多くの特長を持っています。そしてこのユニークな紡績方法により、グローバルマーケットをリードする多くのアパレルブランドメーカーがVORTEXによる高付加価値製品を開発しています。

Z撚り糸のイメージ図

左の図は上下が撚りの強さ、0を中心にZ 撚りとS撚りは撚りの方向を示しています。また左右の軸は糸の断面を見た時の中心からの距離を表したグラフです。各糸のイメージ図は、糸の撚り構造を横から見たものです。
糸の中心は無撚です。糸の外側に向かって撚りが形成されていき、糸の中心は撚りが甘く、外側は完全な撚り構造になります。

無撚の部分はなく、糸の内部から外部にわたって、一定の撚りが入ります。糸幅はバラつきがあります。糸幅が狭いところに撚りが集中しますが、広いところは撚りが甘くなり、長い毛羽が出やすいのが特徴です。

中心から外側まで全ての繊維に撚りが入っています。糸の表面近くの繊維の中には、撚り方向が不揃いで、中心付近とは撚りが逆向きのものもみられます。
